”修行ログ”とは
今回は、新たな企画になります。
私の修行記録、成長記録を残したいと思います。
一応洋裁学校に通って一通り洋服を作ることができます。でも、当たり前だけど出来ないこともめーっちゃ沢山あります。知らないことも山ほどあります。
出来ることだけをして、出来ないことや苦手な事から逃げることもできるのですがやっぱり出来るようになりたい!
そう思って、定期的に私は洋裁の先生のところに通っています。
その教室で学んだこと、失敗したことをまとめていきます。読み物として楽しんでいただけると嬉しいです。
どんな先生のところに通っているの?
かなり自由な教室で、週に2回ほど決まった曜日の中から好きなタイミングで通えます。
先生の簡単なプロフィール
- 洋裁学校卒業
- 縫製工場に勤務
- 出産後近所の奥様達に自宅で洋裁教室を開く
- 某高級アパレルブランドのコレクションのお手伝い
- CM衣装制作
- 舞台衣装制作
- 着ぐるみ衣装制作
- 洋裁学校の先生
- ウエディングドレス制作
- オーダーメイドで服を制作
- 教え子のブランド立ち上げのパターン制作
- 教え子の駆け込み寺として教室開催
- 自身のブランド立ち上げ中
一応年代順にしてみたけど、文字にしてみるとギョッとする経歴。これも私が話に聞いているほんの一部だけです。おそらくもっと出てくると思う(笑)
本当にいろんなことに携わっている先生。
一度お教室に行くと、自分が聞きたいこと以上に勉強になる話をたくさん教えてくれる貴重な先生です。
一緒に頑張ろうね
そんな先生のところで学んだこと。私が失敗したこと。心が折れたこと(笑)なんかを紹介していきたいと思います。
洋裁は楽しいけど、悔しくて辛いこともたくさんありますよね。
「もうやだ」「ミシンなんて見たくない」
そう思うこともたくさんあると思います。
だけど失敗したときは、成長するとき。一緒に学んで成長していきましょう。
今回教わりたいこと
今回私が先生から教わりたいことは、
・別珍生地の扱い方
・裏地付きコンシールファスナーの付け方
この2点です。
”極厚”別珍をお得に購入
今回私が使った生地は、こちらの生地です。


奥日暮里の齊藤商店さんで購入した、かなりお得な生地です。
齊藤商店の社長さんも「しっかりしてるからメンズにもなるよ」と教えてくれました。
確かに良い生地だと言うことはすぐに分かったのですが、私毛足のある生地苦手・・・
短めな毛足のコーデュロイ生地は使えるのですが、この別珍はちょっと毛足が長い。だから欲しいけど使えないなーと思って買うのは躊躇しました。
だけどせっかくお得に買えそうなので「先生のところで習おう」と思って思い切って買った生地なんです。
まさか、この生地だけであんなに勉強になることがあるなんて
この時の私は知るよしもありませんでした・・・(大袈裟)
作るもの
先生のところでは、基本型紙は自分で作ります。
洋裁本なんかの型紙をベースにすることもありますが、自分の寸法に合わせてサイズを変えたりデザインを変えたりします。
今回は、裏地付きコンシールファスナーを学びたいのでロングスカートを作ろうと思います。
基本的にはスカートはあまり似合わないのですが、かたがみスタイルさんの”メリルスカート”のようなシルエットは好き。なので、そんな感じのスカートの型紙を作りました。
上の部分はタイト目、裾は広がっているマーメイドシルエットにしました。

生地の方向
皆さんもご存知の通り生地には方向があります。
生地の方向を間違っても、さほど気にならない生地もたくさんあります。ですが、毛足のある生地は生地の方向を間違うとかなり大変。
基本的には、毛並みに沿った方向を並毛。
毛並みに逆らった方向を逆毛。
と呼びます。
コーデュロイや別珍は逆毛方向で生地を使います。
逆毛で使うと言うことは、生地を手でサーっとなでた時にざらっと気持ちの悪い方向(ヒドイ言い方)が縦になるように生地を使います。
この逆毛か並毛かの触り心地が分かりやすい生地なら良いのですが、今回の生地はどちらとも判別がつきにくいんです。
あれ?どっちも逆毛?みたいな。
困っていると先生がおもむろにトルソーを出してきて
(ちなみにモコモコきてるのが先生)

トルソーに引っ掛ける。
「こうやってかけて、自分の目で見るの」
「左右で方向が逆になるでしょ」
「白っぽくならない方で使えば良いのよ」
と。
なるほど、こうすると一発で比べられるんですね!
手で触って分からない時は、見て判断する。
これだけで、この生地買った価値があったと言うものです。
縫い代の長さ
洋裁本では、縫い代は基本的には縫い代1cmで裾などの三つ折り部分は縫い代3cmとかのことが多いです。でもこれは生地が薄めの時。
実は生地が厚くなると、縫い代1cmで切ると実際に仕上がったときには、縫い代0.8とか0・7とかになって仕上がるらしいんです。
そうなるとどうなるかと言ったら、ミシンで縫って縫い代を開くとキッチリ縫い代が開かれないで斜めに立ち上がっちゃう。
だからオーダーで服をつくる先生は、生地が厚い時は最低1.2cmで裁断するそうです。
ということで私も今回は,脇の部分の縫い代を1.2cmにして裁断しました。
縫ってみると
生地端を縫い代1.2cmにして、縫ってみると・・・
不思議不思議、縫った後に縫い代の幅を測ってみるとなぜか1cmに。つまり毛足分がずれて縫われるんだよね。
つまり、縫い代1cmにしていたら縫い代の幅を測ると0.8cmになっていて縫い代を開いてアイロンをかけてもキレイに倒れてくれない。ということ。
早速、縫い代1.2cmの意味を感じました。
そして、ちゃんと最初と最後の生地端を合わせて固定しているのに長さがズレる。特に表地と裏地を合わせた部分は何度縫い直したことか・・・
私「先生、すごいズレる(涙)」
先生「(ニッコリ)毛足があるからねー。どうしてもズレるよねー」
「ピンで止めたところ、ちゃんとしっかり挟んでね。」
「もし、ビニールとかと一緒に縫うならラップを間に挟むとずれないんだけどね」
「同じ生地ならそのままでもいけるかな〜」なんて言ってた。
先生は、本当に動じない。
もはや最初から私がこうなること分かっていたよね。コレ。
お茶休憩
先生のところでは、休憩時間にお菓子を出してくれる。
私、昔は特に必死で「休憩なしでいいです。先生休んでて」と言っていたのですが先生に「そんなコンつめないの」「これ、美味しいのよ。たくさんあるから。一緒に食べよ」とわざわざ持ってきてくださるので一緒に休憩するようになりました。
先生「抹茶はビタミンEがたくさん入っているんだって」
と言いながらお抹茶を入れてくださいました。あとは、ういろう。
先生「これどっちも食べたいわね。半分こしよ」
と言って、2食盛りになってます。

実はこの後も、柿とかごませんべいとかたくさん出てきました(笑)
そして先生が「見てー!」と持ってきたのがこれ。


なんともユーモアの効いたお土産。これがかなり人気らしくて個数制限もされて販売されているらしいよ。
リクシルさんと和菓子屋さんのコラボでできた商品なんだって。面白い。ユーモアは人を惹きつけるよね。
ファスナーに大苦戦
さて、休憩も終わって後半戦。
今回は裏地ありでコンシールファスナーをつける方法を教わろうとしています。
先生の説明では、
・コンシール押さえは不要
・仮止めは不要
・めっちゃ簡単よ
とのことなのです。だから、その先生の方法に挑戦してみましたがこれが難しかったー。
確かにコンシール押さえがなくても作れることは作れたけど、今の私にはあったほうが簡単だし安心。世の中にあるいろんな”押さえ”は初心者のかたにも楽にキレイに縫えるように存在しているんだと強く感じました。
”コンシールファスナーをつける”という一つの同じ行為でも、生地が変われば難易度はかなり変わる。それを実感しました。
普段なら、裏なしなら難なくファスナーをつけることが出来たのですが、この毛足のある別珍の厚さに苦戦しました。生地端がめっちゃほつれてくるし、印もつけにくい。だから先生の説明通りに縫おうと思ってもそれがうまくいかない・・・(涙)
そして最後に裾をまつろうと思って、針を通すとパイルみたいな繊維が抜ける。

あれ?これで合ってる?
と思って慌てて先生に
「裾をまつろうとしたら、パイルが抜けるんです。ステッチにした方が良いですか?それともこのまま気を付けながら進めて大丈夫ですか?」と質問してみると。。。
ステッチ!!
とただ一言ラインが返ってきました(笑)
この一言に「まつるなんてダメダメ!!」という慌てた気持ちが入っているのか否かは、後日また確認してこようっと。
完成したよ
なんとか、裏地付きコンシールファスナーのスカートが完成しました。

たけど大事なファスナー部分はイマイチ理解できてない。先生が、「ここまでこう縫ってここからこうする」という大事なところを分かっていない感じがするのでリベンジ!!
このファスナーの上の部分がとっても大事なのに、生地の厚さでいまいち分からない。


ただね、もう少し華やかな感じになるかなと思っていたけどちょっと地味。
思ったよりも生地が固くて、裾のカーブが鎧のように”ぴっ”となる。ツノみたい。
あと、表地と見返しを繋げた部分が分厚くてどうにもこうにも処理しにくい。無闇に生地をカットすると生地端がポロポロとほつれてくるから怖いし。
この生地でこのデザインのスカートにしたのが間違ったような気がしている・・・
コレはリベンジだね。違う生地で同じの作ってみよう。
もう少し薄い生地で、分かりやすいように印もつけらるような毛足のない生地探そう。
そしてこの余った別珍は、何にしてあげるのが良いんだろう。
やっぱりメンズ用にしてあげるとカッコいいのかな?!
うーん、また試してみよう。
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