今日のテーマ
こんな人へ
洋裁が好き
ステップアップがしたい
裏地付きコンシールファスナーの付け方を知りたい
結論
長さをきっちり測ることが成功へのコツ
私が最近マスターした、裏地付きコンシールファスナーの作り方を紹介します。
洋裁には正解がありません。いろんな方法があって良いのです。ですので私が紹介する方法も一つの方法というだけのこと。ちゃんと完成していれば、他の人の方法が間違っているとか、私の方法が間違っているとかは決してありませんのであらかじめご了承ください。
私が実際に作りながら、たくさん写真にとって出来るだけ分かりやすく解説したつもりです。が、裏地付きコンシールファスナーをつけること自体は中級者さん向けとなります。
縫ったらアイロン。や、合印というのはハサミでこうやって切り込みを入れます。とか、返し縫いをします。というような基本的な文言は省いています。
既にパンツやシャツを作ったことがあるよ!という方であれば十分作ることが出来ますのでチャレンジしてみてくださいね。
下準備
材料
まずは、必要な材料を紹介します。
表の生地、裏地、接着芯、コンシールファスナーです。
コンシールファスナーは、大体22cmとか23cmのもの(20cm強)が使いやすいです。基本的にファスナー部分は縫い目に隠れるので、表の生地と全く同じ色じゃなきゃいけないということはありません。

裁断
必要なパーツは、前後の表身頃、見返し、裏地の3つです。下のイラストの青字が縫い代ですが、こちらは表の生地が厚くない時を想定しています。
表に別珍やツイードなどの厚さのある生地を使うときには、1cmの部分を1.5cmにした方が良いです。(裏地の縫い代は変わらずでOKです)
ファスナー止まりは、使うファスナーの長さよりも3cm程度短い長さにします。つまり20cmのファスナーを使うときには身頃の上端から測って17cmの所に印をつけます。(20cmのファスナーじゃなくてもOK))

裁断が出来たら、実際に作っていきます。
工程としては大きく分けて3つ。
1,裏身頃を作る
2,表身頃を作る
3,表と裏を合体させる
では順番に作っていきましょう。
裏身頃を作る
裏身頃を作る工程のポイントは、3つ。
1,表生地のファスナーあき止まりの位置より2cm下で縫いとめること。
2,脇の縫い代には0.5cmのキセを入れること
3,裏地と見返しの前中心と後中心に合印を入れておく
です。縫い始める前に、裾は三つ折りアイロンをかけておいてください。
1,裏地を縫う
まずは、裏地を中表に合わせて縫います。私はファスナーあきを左側につける方法で作っていきますが、反対が良い方はお好みで変えてくださいね。
1,ファスナーあきのない右側にくる脇を、縫い代1cmで縫います。
2,縫い代を1.5cmで折ってアイロンをかけます

3,左脇にくる方を表のファスナーあき止まりから2cm下で縫いとめる。

このとき、あき止まりの位置は1.5cmになるように(キセゼロになるように)斜めに縫う。

4,縫い代を1.5cmで折ってアイロンをかける
5,裾を三つ折りに折って縫う
2,見返しを縫う
1,右脇を縫い代1cmで折って縫う
2,縫い代を開いてアイロンをかける

3,裏地と見返しを合体させる
身頃と見返しを中表になるように合わせて縫い代1cmで縫う。
右脇の縫い代を合わせるとき、裏地のキセが開いてしまわないようにピンで固定する。

見返しの脇の縫い代は1cm、裏地の脇の縫い代は1.5cmなので、裏地の方が0.5cm飛び出ててOKです。

表身頃を作る
表身頃は簡単なので、写真なしで一気に進めます。
1,両脇にロックをかける
2,裾を三つ折りアイロン
(ウールの場合はまつるので裾にもロックをかけて、二つ折りでアイロンをかけます)
3,右脇を縫い代1cmで縫う
4,縫い代は開いてアイロンをかける
5,左脇ファスナー止まりまで縫い代1cmで縫う
6,縫い代は開いてアイロンをかける
7,裾を縫う
※ちなみに、私はファスナーあきには伸びどめテープ必須だと思っていました。でも、コンシールファスナーには伸びどめテープは不要でした
3,裏と表を合体させる
さて、ここからが本番。ややこしいところもあるので、たくさんの写真を使って解説していくよ。
表と裏をウエストで合わせる
表身頃と裏身頃をウエスト部分で中表に合わせます。
そして、両サイド(ファスナー部分)から10cmほどを残して縫い代1cmで縫います。

表身頃にファスナーをつける
まずは、表身頃にファスナーをつけます。
大事なのは、縫った身頃のファスナーあき止まりから生地端までの長さとファスナーのあき止まりの長さを合わせることです。


※ファスナーの方は、上部のギザギザの部分の谷の位置から長さを測ります。
身頃にファスナーを中表に合わせて、コンシール押さえで縫います。

縫うときにポイントがあります。
あき止まりの1cm上で一旦とめます。(糸は切りません)
そして、ファスナーをクッと曲げる。このときに、ファスナーのムシが出来るだけ身頃の脇の部分と揃うように意識しながら斜めに縫い進めます。コンシールファスナー押さえの溝からは外れないように気をつけてください。(ここはゆっくりね)
そして、あき止まりの0.5cm下まで縫って返し縫い。

実際に縫った時の裏面はこんな感じになります。

ここまで出来たら、ファスナーの固定金具をあき止まりの位置に持ってきて固定してください。
ここまでで、表身頃にファスナーがつきました。
ファスナーに裏地をつける
次に今つけたファスナーに、裏の身頃をつけていきます。
まず、見返しを出来上がりの状態に置きます。

ウエストの部分がいまいちどうなっているか分かりにくいですよね。

ここの裏側は、こんな感じになります。

赤い余分な縫い代というのは、使う生地によって、縫い方によって変わってくるので、何センチ。という風には書けません。目安としては、見返しの脇の縫い代分(つまり今回の場合1cm程度)は余分になります。
そして、青い線の部分をミシンで縫います。この時注意するのが、見返し&裏地とファスナーの帯だけを縫います。表身頃の縫い代は、縫わないように注意してください。

下の方は、こんな感じになります。

最初は、スライダー(ファスナーの持ち手の部分)を下に下ろして縫い始めて、邪魔になったら上にあげるようにすると縫いやすいです。下の写真のようになりましたか?

ここまできたら、あと一息!
次に裏コバステッチをかけます。押さえをかた押さえにします。表の生地だけを避けてコバステッチをかけます。

反対側もステッチをかけます。
そしたら、余分な縫い代をカットしておきましょう。

違う生地で申し訳ないのですが、この部分をカットします。

ウエストを縫う
最後に、ウエストの部分を縫います。
脇の縫い代を、折ってからウエスト部分を縫い代1cmで縫います。


ウエスト部分に裏コバステッチをかけます。表身頃だけ避けて、見返し側にステッチをかけてください。

ということで完成です!!
おめでとうございます。
型紙の載っている洋裁本
ただ、コンシールファスナーのつくスカートの型紙は少ないんです。
私はオンライン教室を月に2回ほど行っています。
その時に、裏地付きコンシールファスナーを付けた方はこちらの本の型紙を使ってらっしゃいました。裏地はついていない型紙だったので、裏地の型紙を自分で作って裏地付きコンシールを完成させましたよ♪めっちゃ可愛かったです。
コンシールファスナーのワンピースもあるようなので気になる方はチェクしてみてください。

お疲れ様でした。
めっちゃ工程が多くて、挫折しそうな感じですよね。でもこれは最初から最後までわかるように説明したからこんなふうになりましたが、実は慣れるととってもシンプルなんです。
私は、このファスナー付けを覚えるために今の所4着スカートを作りました。だんだん分かるようになると「コンシールファスナーってシンプルでいい!」と思うようになりましたよ。
ウエストゴムの服も作りやすいし、デザインもたくさんあるので良いのですが、コンシールファスナーのスッキリとしたシルエットもすごく好きです。ぜひチャレンジしていただきたいと思っています。
好きな服を作れるようになろう♪
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最後に・・・
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